OTTAVAとDigitape.jpのちょっといい関係
クラシック専門インターネットラジオ局「OTTAVA」(オッターヴァ)。その公式サイトでは、オリジナルグッズとしてOTTAVAロゴ入りマスキングテープを販売しています。実はこれ、Digitape.jpのマスキングデジテープ作成サービスを利用したもの。この商品が生まれた意外な背景について、OTTAVA株式会社代表取締役社長であり、ご自身も番組内でプレゼンター(※1)を務める斎藤茂氏、そしてDigitape.jpを運営する株式会社ロジファクトの代表取締役社長、三輪浩氏にお話を伺いました。
いちリスナーからパートナーへ
—まず、OTTAVAとdigitape.jpが出会ったきっかけを教えてください。
斎藤氏「他の放送局同様、当社もスポンサーの皆様に支えられて番組が成り立っています。しかし、今年(2020年)は新型コロナ感染症の影響もあって、営業実績が思わしくない。そこで、いっそ番組中にスポンサー募集のお知らせというか”お願い”をしてみてはどうか、ということになりまして。”放送中に営業中”という(笑)。じゃあ、社長でもあるし僕がやりましょうか、となった。
最初は冗談半分なところもあったのですが、実際に番組で”どなたかスポンサーになってくれませんか、あるいはパートナーとして協業してくださる企業さんはいませんか”と呼びかけてみたところ、いくつかリアクションがあったんです。そのひとつがdigitape.jpの三輪さんでした」
—三輪さんから「スポンサーになりたい」と連絡をされたのですか?
三輪氏「そう言えれば良かったんですが、さすがにそこまでの余裕は……(笑)。ただ、私もクラシック音楽が好きで、長くOTTAVAのリスナーなんです。事務所にも常にOTTAVAが流れているくらい思い入れも深い。斎藤さんの放送を聴いて居ても立っても居られず、連絡させていただいたきました。OTTAVAオリジナルのマスキングテープを売ってみてはいかがですか、と。
テープの制作なら協力できますし、次第に売れるようになれば、番組や放送を支える費用の一部になるんじゃないかと」
—そのお話を聞いて、斎藤さんはどう思われましたか?
斎藤氏「大変ありがたいお話でした。そして、なるほど、オリジナルグッズを売るという手があったか、と気付かされました。実はOTTAVAにもEコマース(インターネット通販)のページがあるのですが、今まで積極的には活用できていなかったんです。棚の商品も、出演してくれたゲストの方々のCDや本などが多く、オリジナルグッズを売るという発想は正直ありませんでしたね」
リスナーもマスキングテープを買って協力!
—そしてマスキングテープが商品化されたわけですが、売れ行きはいかがでしょう。
斎藤氏「売り始めたばかりなので、まだこれからだと思っています。でも、夏にやった企画”EC祭り”では、リスナーの方々が(コロナ自粛で)買い物欲求が溜まっていたせいか、予想以上に売れました。今でも毎日数本ずつですが、継続的に売れています。
番組の中で”OTTAVAのマスキングテープをどんな風に使っているか教えてくださいね”という話をすると、リスナーの方々が写真を送ってくださるんですよ。テープとしての用途はもちろんですが、私たちにとっては、今まで不足していた”リスナーへのブランディング”を補う商品にもなっています」
—三輪さんがいちリスナーとして協力を申し出たように、他のリスナーさんもマスキングテープを買って協力してくださっている方も多いのでは? OTTAVAはリスナーからとても愛されている印象を受けます。
斎藤氏「私もそう思います。みなさんクラシックやジャズが大好きで、日常の他愛ないおしゃべりも好きで。そんな属性が明確なぶん、仲間感といいますか、プレゼンターや他のリスナーと繋がっている意識がある。それはOTTAVAが最初からインターネット放送ではなく、元がラジオだったことも関係しているかもしれません(※2)。私たち送り手と、受け手であるリスナーの皆さんとの関係が、ラジオの文脈を受け継いでいる感覚が確かにありますね」
—OTTAVA×digitape.jpのさらなる広がりが楽しみです。最後に、ぜひOTTAVAのご紹介を。
斎藤氏「上質なクラシック音楽を毎日24時間、インターネットでお送りしています。でも、アカデミックな専門知識はまったく要りません。やや手前味噌になりますが、多彩なプレゼンターの楽しいおしゃべりも好評です。アプリもユーザー登録も不要、PCでもスマホでもインターネットブラウザーで気軽にお聴きいただけるので、こちらからアクセスしてみてください。次は番組でお会いしましょう!」
OTTAVAオリジナルマスキングテープは、今後もリスナーとプレゼンターを繋ぐ”のりしろ”となってくれるでしょう。粘着力が強すぎないところが、またいいのです。
※1 OTTAVAでは、パーソナリティーやDJをこう呼ぶ。
※2 OTTAVAはもともと、TBSラジオ&コミュニケーションズ(現:株式会社TBSラジオ)が2007年、当時予定されていたラジオの地上デジタル放送移行計画を受け開局、地上デジタル音声放送実用化試験放送としてスタート。同時に、TBSラジオのAM放送でも番組として「OTTAVA con brio」が放送されていた。なお、ラジオの地上デジタル放送は政府が2011年に計画を断念、現在は白紙(消滅)となっている。